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事業内容 BUSINESS

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新しい再生医療技術シーズの探索、開発支援から臨床応用まで

再生医療の研究により創出された新しい技術は、長いプロセスを経て患者さまの治療に応用されていきます。具体的には、産業レベルの細胞培養が可能な製造方法の確立、段階的な臨床試験の計画と実施、品質規格とその試験法の構築といったプロセスです。これらは戦略に基づき進められ、製造販売申請が行われることで薬事承認を得ることができます。さらには、将来の事業化を見据えた戦略が練られていることも要求されてきます。

このような戦略を立案し、様々なハードルを乗り越えるためにはノウハウが必要です。せっかくの新技術は社会に還元されてこそ意義があるものとなります。医療として事業化を果たすことは、開発を手掛けた研究者にとって、医療産業にとって、なにより患者さまにとっての願いであり利益であると考えています。

当社はこれまで、眼科領域における再生医療技術の臨床応用とその事業化を達成しました。整形外科領域においても治験を進めています。また、工業生産における汎用性が期待できる他家由来細胞を用いた再生医療技術の技術導入と臨床開発にも着手しています。
肝臓疾患の領域においては、非代償性肝硬変に対する肝疾患治療用細胞シート(KCS-003)の共同開発契約をカノンキュア株式会社と締結し、その開発を支援しております。

このように当社は、これまでに培ってきた確かな開発経験に基づき、さらなるシーズ導入、技術提携および開発支援を推進することで、新たな再生医療技術の社会実装を事業目標としております。

ヒト羊膜基質使用ヒト(自己)口腔粘膜由来上皮細胞シート「サクラシー®」

サクラシー®は、患者さま自身の口腔粘膜より採取した上皮細胞を、加工したヒト羊膜の上でシート状に培養した再生医療等製品です。角膜の周囲にある幹細胞が欠損する角膜上皮幹細胞疲弊症という疾患では、瞼(まぶた)と眼球が癒着するなどの症状が起こることがあります。このような眼表面疾患の患者さまに対して移植することで、上皮細胞が生着し、眼表面の異常を修復することを目的としています。

この治療法は、京都府立医科大学眼科学教室によって基礎研究から臨床研究へ進められた後、臨床試験(治験)が実施されました。既存の治療法では限界があった眼表面の癒着を修復するための新たな治療選択肢であり、移植によって眼表面が綺麗に整うと、その後の視力改善のための治療を組み合わせることも考えられるようになることが、この治療法の意義といえます。

当社では、サクラシー®の製造販売により、これらの患者さまの眼表面再建や視力回復につながる新しい眼科医療の実現を事業目標としております。

自己軟骨培養細胞含有コラーゲンマトリックス(開発コード:IK-01)

限局性の膝関節軟骨損傷は、激しいスポーツや事故を原因として、軟骨に異常な外力が加わることで発生します。このような外傷性膝軟骨損傷では、強い痛みを伴い患者さまのQOLも大きく損なわれます。また、変形性膝関節症は、加齢、労働の負荷等により発生し、自覚症状を有する患者や潜在的な患者も含めると国内でも約3000万人と推定されており、また年間約9万人が人工関節の使用を余儀なくされている現状です。軟骨は自然には再生しないので、このような疾患に対しては再生医療技術に注目が集まっています。

IK-01は、患者さまの膝関節から採取した自己軟骨細胞を使用し、コラーゲンゲル内で培養した再生医療製品です。膝軟骨の損傷部位へ移植することで、自己軟骨細胞が再生され、損傷を修復し、また関節症の進行を抑えることが期待されています。

当社では、外傷性軟骨損傷と変形性膝関節症を対象として開発を進めており、IK-01の臨床応用の実現を事業目標としております。